こんにちは。nagi鍼灸院の鎌田です。今回は秋の養生法について東洋医学と現代医学の両方の観点から書いていきたいと思います。秋は、自然界の変化が最も顕著に現れる季節であり、東洋医学では特に重要視されています。東洋医学では、秋は「収斂(しゅうれん)」の季節、すなわちエネルギーが内側に向かい、体を整える時期と考えられています。
東洋医学における秋の特徴
東洋医学では、季節ごとに体の臓器や機能に影響が及ぶと考えられています。秋は「肺」と深い関連があり、次のような特徴があります。
1. 陰と陽のバランス: 東洋医学では、秋は「陰」が増し、「陽」が収束していく季節です。陰は冷たさや静けさを象徴し、陽は温かさや活動性を象徴します。秋は、夏の活発な陽のエネルギーが収まり、陰のエネルギーが徐々に強まる時期です。このため、秋は体を内側から温め、陰陽のバランスを整えることが大切です。
2. 肺と大腸の関連: 東洋医学では、肺は皮膚と共に呼吸や体内の水分を調整する働きを持ち、大腸と表裏一体の関係にあります。秋は乾燥が進み、肺や大腸の機能が影響を受けやすくなります。これにより、皮膚の乾燥や便秘などの症状が現れやすくなります。
3. 五行と秋: 五行説では、秋は「金」に属し、金は「収斂」「固める」性質を持っています。このため、秋は収穫の季節であると同時に、体内の気や血を収め、体を保護する時期とされています。
東洋医学の秋の養生法
秋の季節に体と心を整えるためには、以下のような東洋医学に基づいた養生法が効果的です。
1. 潤いを保つ食事
白色の食材を取り入れる: 東洋医学では、肺を補う食材として「白色」のものが推奨されます。例えば、梨、百合根、白キクラゲ、大根などが挙げられます。これらの食材は、肺を潤し、乾燥から守る働きがあります。
温性の食材を摂る: 体を内側から温めるために、しょうがやネギ、山薬(やまいも)などの温性の食材を取り入れることが勧められます。
2. 呼吸法
呼吸を深くする: 秋は呼吸を意識する季節です。深い呼吸を行うことで、肺を鍛え、体内の気の巡りを整えます。朝の新鮮な空気を取り入れながらの深呼吸や、気功の練習が推奨されます。
3. 睡眠と休息
早寝早起き: 秋は夜が長くなり、自然と睡眠の時間が増える季節です。東洋医学では、このリズムに合わせて早寝早起きを心がけることが勧められます。これにより、体内のリズムが自然と整い、エネルギーをしっかりと蓄えることができます。
4. 適度な保温
体を温める: 秋は急激な温度変化が体に負担をかけることがあります。東洋医学では、「寒邪」を防ぐために体を冷やさないように注意することが重要とされています。特に、腹部や腰、足元を温めることで、内臓を保護し、免疫力を高める効果があります。
現代医学的視点から見る秋の健康管理
現代医学でも、季節の変化が身体に与える影響が研究されています。以下は、東洋医学の知識と現代医学の視点を組み合わせた、秋の健康管理のポイントです。
1. 適切な水分補給: 秋は乾燥する季節であるため、現代医学でも水分補給の重要性が指摘されています。水だけでなく、ハーブティーやスープなど、体を潤す飲み物を取り入れることが勧められます。
2. 栄養バランス: ビタミンA、C、Eなどの抗酸化ビタミンを含む食材(かぼちゃ、ニンジン、ほうれん草など)は、免疫力を高め、乾燥による皮膚のダメージを防ぐ効果があります。
3. 感染症予防: 秋はインフルエンザや風邪が流行しやすい季節です。現代医学では、これらの感染症に対する予防接種や、手洗い、マスクの着用が推奨されていますが、東洋医学的には、体の内部から免疫力を高める食事や生活習慣の見直しも重要です。
4. 心理的な健康管理: 現代医学の研究では、秋はうつ病や季節性情動障害(SAD)のリスクが高まることが知られています。東洋医学の視点からも、心の安定を保つための気功や瞑想、呼吸法が有効とされています。
まとめ
秋は、自然と調和し、心身のバランスを取り戻す絶好の季節です。東洋医学では、肺を中心に体を整えることが重視され、現代医学でも乾燥や気温の変化に対するケアが推奨されています。これらの知識を融合させることで、より深い理解と実践が可能となり、秋を健やかに過ごすことができるでしょう。心と体の声に耳を傾け、適切な養生法を取り入れ、豊かな秋を迎えましょう。夏の疲れを残したまま秋を迎えると、免疫力も下がっているので風邪などに注意が必要となります。夏バテ・夏の疲れが残っているという方はぜひご相談ください。
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